朝鮮王朝の呼称について、日本においては王室の姓をとり「李氏朝鮮」もしくは「李朝」の呼称が用いられていたが、近年では「李氏朝鮮」を「朝鮮王朝」と言い換え、
古朝鮮と
朝鮮とで呼び分ける立場が日本の朝鮮史研究者の間では主流となってきた。
文部科学省は
2002年に「
李氏朝鮮」という呼称について「表記が不適切」との検定意見をつけた。その理由を、日本における学術研究の成果を反映したためとし
[毎日新聞2002年4月10日朝刊。]、特に朝鮮史学界での呼び方にならったことを強調した
[日本経済新聞2002年4月10日朝刊。文部科学省は前年2001年に「つくる会教科書」における「李氏朝鮮」という呼称について大韓民国から修正を要求されたが「明白な誤りとは言えない」として拒絶したことがあった。その翌年2002年の検定意見で「李氏朝鮮」という呼称を不適切としたことについて文部科学省は、韓国の要求に応じたのではなく、学術研究の反映であると説明した。なお、同年の検定意見では「任那日本府説」の是非に絡む「倭(日本)は加羅を根拠地として百済をたすけ、高句麗に対抗」との記述にも検定意見をつけて「近年は任那の恒常的統治機構の存在は支持されていない」(日本経済新聞2002年4月10日朝刊)と説明した。]。
韓国においては「チョソン」は古称・雅名としても認知され、そのような文脈に限っては抵抗なく使われることもあるが、北朝鮮式の呼称であることによる忌避のみならず、
日本語読みの「ちょうせん」は
差別の意味合いを持って受け取られることがある。韓国で南北をひっくるめて論じるときなどは「韓民族」「韓半島」などというのが普通であり、かつて日本の保守系親韓派知識人の一部
[山本七平など]もこのような用語法を用いた例もある。逆に北朝鮮では「ハングル」など読み方が「韓」を連想させるような
語彙は嫌われることもある(ただし「ハングル」のハンは「韓」だけでなく「偉大な」の意味もある)。北朝鮮の日本向け日本語放送『
朝鮮の声放送』では「チョソン」の呼称が用いられる。